ポジティブアクション北大方式・実例レポート

水産学部・水産科学研究院に25年ぶり、女性教員2名!
函館キャンパス・大学院水産科学研究院
北海道大学21世紀COEプログラム「海洋生物統御における食糧生産の革新」

北海道大学副理事・創成科学共同研究副機構長
大学院水産科学研究院特任教授 水産学博士 山内 晧平 教授

21世紀の新しい水産学に女性の視点を活かす

■学内でいち早く2名の女性研究者を教員に採用


平成18年度、大学院水産科学研究院ではポジティブアクション北大方式を活用し2名の女性教員を採用しました。同研究院特任教授であり、21世紀COEプログラム「海洋生命統御による食糧生産の革新」の拠点リーダーでもある山内晧平教授は、採用に至った経緯について次のように語っています。
「水産学は長らく男性中心の分野とされ、女性研究者の活躍の場が限られる状況が続いていました。しかし、そもそも水産学は私たちの生活に密着した総合生活科学であり、海洋学のみならず資源、生物、食糧生産、加工・輸送技術、流通など、多様な分野が有機的に関わり合う学問です。そこには多様な人材の参加が求められ、中でも女性の視点や発想が活かされるべきだと考えました」。
同研究院では、こうした考えのもと積極的に女性教員を採用・登用する方針を打ち出し、平成16年度に採択された21世紀COEプログラムでは、主要な研究プロジェクトと共に「若手研究者および女性研究者の支援」を掲げました。全国で採択されているCOEの中でも「女性研究者支援」を明確に打ち出したのは本COEだけであり、特筆すべき活動といえます。平成17年9月には「第1回・女性研究者支援ワークショップ」を開催し、70名を超える参加を得て活発な討論が行われました。翌18年9月には第2回も開催し、女性研究者のネットワークは他大学へも広がっています。

■食文化の一翼を担う水産学の発展に期待

山内教授は、水産学の現場に女性の視点・発想が活かされることについて「女性らしい柔軟な考え方、男性にはない視点からのアイディアをどんどん出してほしいと思います。水産学は“魚食”の文化を持つ日本で生まれた学問であり、わが国の食文化の一翼を担っています。食の安全・安心が叫ばれる昨今、生活者としての視点を持つ女性の存在は非常に大きいと考えられます」と語っています。今回採用されたうちの一人は中国からの留学生として同大学院を修了しており、日本と同じ魚食文化を持つ中国にわが国の水産学を伝える掛け橋として大きな役割が期待されています。
また、「現在、学部生の約3割を占める女子学生にとっても、二人の活躍は将来の目標になると思います。多くの意欲的な女性研究者が後に続くのではないでしょうか」と語り、今後の展開に期待しています。

[関連リンク]
・北海道大学21世紀COEプログラム「海洋生命統御による食糧生産の革新」
http://www2.fish.hokudai.ac.jp/21coe/
※「海洋生命統御による食糧生産の革新 -海の生物の高度で安全な活用を目指して」では、海洋生物の生命科学研究を推進し、 その成果を応用して安全・安心な食糧生産の革新をはかるための新しい学術領域の開拓を目指します。