理念と目的

当支援室が開設された背景、目的、活動概要など、支援室のアウトラインを紹介します。

支援室は平成18年7月の開設以来、下に示すように、総長直下の男女共同参画委員会に連なり、学内外の多様なスタッフで構成して活動してきました。科学技術振興調整費(女性研究者支援モデル育成)事業期間終了に伴い、平成21年度からは新たな体制として支援活動を推進・展開していきます。北海道大学の新全学組織「人材育成本部」が設置され、女性研究者支援室はその中の一員となり、他の人材育成プログラムとの有機的連携を深めながら、女性に限らない研究者の支援・育成に関わっていきます。

背景

北海道大学では、平成16年5月末に策定した中期目標・中期計画の中で「男女共同参画社会基本法ならびに雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の精神に則り、ポジティブ・アクションを含めた総合的な施策を講ずるための担当組織を設置するなど種々の取り組みにより、「女性教員の比率を高める」、「育児にあたる必要の生じた本学の職員や大学院学生、ポストドクター、外国人研究者等が安心して就労又は就学できるようにするため、保育園『子どもの園』の運営の充実等育児環境の充実整備に努める」と明記しており、女性研究者がさまざまなキャリアおよびライフステージにおいて将来の展望を持って研究に取り組める環境を整備し、研究・教育における人材の多様化・男女共同参画の実現を目指して、さまざまな取り組みを進めてきました。

具体的には、札幌キャンパス内における認可保育園の開園、優秀な女子大学院博士課程在学生を対象にした「大塚賞」の設置、全国の数ある21世紀COEプログラムの中で唯一「女性研究者支援」を若手支援と共に謳った水産科学研究院を中核拠点とするCOEプログラムにおけるユニークで実質的な支援策の展開などが挙げられますが、全学的な支援の動きにはなかなか至っていませんでした。

平成17年8月、文部科学省科学技術・学術政策局総括官(当時)河村潤子先生が視察のため本学へ来校された際、 門田公秀学術国際部長(当時)の呼びかけで女性研究者意見交換会が開催されました。これを契機に、各部局から意見交換会に参加した女性研究者たちの間にネットワークの種となるつながりが生まれ、本学における女性の活躍促進に向けて互いに協力して積極的に取り組んでいこうという気運が高まりました。

さらにこのことが、同年末に女性研究者支援に対して初めて充てられた国家予算である平成18年度「文部科学省科学技術振興調整費(女性研究者支援モデルプラン)」に応募するきっかけを与え、ポジティブアクション北大方式などを含む支援プランが本学大学院農学研究院・有賀早苗教授を中心に作成されました。ユニークで実効性の期待できるポジティブアクション北大方式の提案を受け、即座に実施に向け具体的検討・制度作りを行い、提案から僅か3ヶ月、振興調整費の採択を待たずに大学独自の経費で平成18年4月よりポジティブアクションを開始したのは、中村睦男総長、井上芳郎副学長(当時)の熱意と英断によるものです。その後、首尾よく採択された北大提案プロジェクト『輝け、女性研究者! 活かす・育てる・支えるプラン in 北大』の計画に基づいて、平成18年7月、女性研究者に特化した諸問題に対応した支援策の企画・立案・推進を行う「北海道大学女性研究者支援室」が開設されました。

このように「北海道大学女性研究者支援室」は北大の女性研究者たちが互いの思いを語り合う中から生まれたのです。  
  

女性研究者のキャリア形成の過程においては、他分野での女性のキャリア同様、主に以下3つの要因に由来する各種困難が存在します。
 1.マイノリティーとして直面する課題
 2.妊娠・出産等体の変化に関わること
 3.男女の生き方に関する社会的思い込み

これら要因が複雑に絡み合うことで、様々な「壁」を形成しています。
女性研究者支援室では、女性研究者が直面する困難がどのような要因に由来しているかを見極めることで、表面的な壁の解消にとどまらず、根本的な問題解決につながる制度設計と支援活動を行うことを目指しています。

目的

・すべての研究者が個性と能力を十分に発揮して夢と可能性にチャレンジできる研究環境を構築し、男女共同参画社会の実現に貢献します。

・女性研究者の活躍を促進することで、北海道大学における研究人材の多様化を推進し、大学の研究力強化および国際的価値の向上に寄与します。

取組の柱

・次世代を担うすべての研究者の子育てならびにワークライフマネジメントの実践を支援します。
・人材育成・人材活用の観点から「女性研究者の育成」と「女性研究者自身の成長とキャリア開発」をサポートします。
・本学における女性研究者・女性教員の増員に向けた取り組みを行います。

活動概要

20% by 2020(Triple Twenties計画):「北大全研究者の中の女性研究者比率を2020年までに20%に」

支援室を中心に「女性研究者活躍のための環境整備」と「女性研究者増員のための具体的取り組み」を推進し、さまざまな支援を有機的に統合・展開することにより、北大全研究者の中の女性研究者比率が2020年までに20%になるよう努めます。一方、北大の女性研究者数は、総計323名(教授、助教授、講師、助手、博士研究員などを含む)で、北大全研究者総計2,383名の11.4%にとどまっています(2005年12月1日現在)。正規教員に限ると女性比率は7.2%、教授では僅かに3.5%です。北大の女子学生の数は、学部・修士課程入学者の平均では25%以上、大学院博士課程をみると、全体の進学者が減少している中で女性の進学者は年々増加しており、学位(博士)授与者中の女性比率は20%を超えています。

NeedsをSeedsとした支援策の推進・展開

女性研究者ネットワークを構築し、女性研究者活躍のための環境整備、キャリア継続支援などについて女性研究者の声を充分に反映させ、NeedsをSeedsとした支援策の推進・展開に努めるとともに、次世代女性研究者育成を目指して女子学生・大学院生の研究者チャレンジ支援、女子中高生の理系進路選択支援にも力を入れていきます。

情報・支援のワンストップ窓口サービス

女性研究者が必要に応じて適切な情報・支援を迅速かつ容易に得られるよう、多様な支援に対する窓口を一元化して女性研究者 支援室がワンストップサービスを提供するように整備していきます。
>>詳しくは、活動内容のページをご覧下さい。