MEET THE FRESHU VOL.4 北海道大学大学院農学研究院助教 崎浜靖子先生(2007年11月)

「楽しい」「大好き」が原動力

私は、琉球大学理学部で植物生理学の研究室に入りました。研究の楽しさがわかってきたのは、卒業研究を始めたころです。研究テーマは、紫外線などの強い厳しい環境下で育つ植物が、体内でフラボノイドという物質を生成し、ストレスから身を守る仕組みを調べること。これはまだ新しい分野で、大学にできたばかりの研究室だったこともあり、何をするにも自分たちで手法を考え、苦労しながらすることが多くありました。それだけに結果が出たときは達成感が大きく、実験がうまくいったときは、本当に大声で叫ぶくらい喜びました。

修士課程修了後は、高校の理科教員になろうと勉強していたのですが、あるときもとの研究室で実験をする機会がありました。ほんの1カ月だったのですが、「やっぱり楽しい!」と実感してしまい、教員の道はやめて大学に戻り、博士課程をとることにしました。その時点で、もう将来ふつうの就職先はないぞ、と思いました。それでも好きなことをしよう、と覚悟を決めたんです。

子ども中心の生活に一変

北海道に来たのは約6年前です。それまでずっと実家から大学に通っていたので、初めての一人暮らし、しかも初めての北海道です。北大に教員の公募があることを知り、正直なところ「たぶんダメだろう」と思いつつ応募しました。それが採用になり、「伝統と歴史のある北大農学部」と勝手に想像していた固いイメージとは違って研究室はとてもオープンで、うれしい驚きがいろいろありました。
一年間のアメリカ留学も経験し、研究三昧で5年ほどが過ぎた頃、大学時代に同じ研究室だった夫と結婚しました。2007年2月に女の子を出産し、8ヶ月間の産・育休をとり、9月下旬から仕事に復帰しました。子どもは大学に近い保育園に入ることができ、夫が休みの日以外は、私が送り迎えをしています。

子どもができて、生活はがらりと変わりました。
以前は夜おそく、11時頃まで学校にいて仕事をしていましたが、今は朝8時半から夕方5時半まで、短い時間をいかに効率良く時間を使うか、が勝負です。家に仕事を持ち帰ることもありますが、子どもが小さいと、まとまった時間はとれませんし、予想外の小さな事件がたくさんあります。自分で決めた計画どおりに進むことは、まずありません。夫は以前の私を見ているだけに、「そんなに早く帰って大丈夫?」と心配するほど、子ども中心の生活になりました。

子どもも私自身も、まだ生活のペースがつかめていないのですが、もう少し時間がたてば落ち着いてくるのかなと思っています。それでも最近は少し余裕がでて、自分の今までのスタイルではなく、これからの新しいスタイルを考え始めているところです。
子育て中は、今しかない大切な時間で、楽しいことがたくさんあります。じつは出産前、「子どもは欲しいけど、自分には無理」と思っていました。でも実際に出産してみて、そんなことはなかったな、何とかなるんだな、というのが実感です。