Meet the FResHU VOL.2 北海道大学大学院教授 長谷山美紀先生(2006年11月)

迷わず選んだ研究者の道

もともと数学が好きだったので、理学の分野に進むことも考えていましたが、数学を道具として使って「モノをつくる」ことができる工学に興味を持ち、電子工学科へ進みました。
当時、電子工学の分野はコンピュータの発達とともに飛躍的に発展し、新しい概念・理論・技術が次々と誕生していました。私自身も、誰も見たことがないものを自分の手で創り出し、それを世界に発信できることに大きなやりがいと楽しさを感じ、迷うことなく研究者の道を選びました。

手探りで描いたキャリアデザイン

大学院の博士課程で学んでいたとき、担当教授から「助手にならないか」と声をかけていただきました。助手になるためには大学院をやめなければなりませんが、助手のポジションはいつでも空きがあるわけではありません。この機会を逃したら二度とチャンスは巡ってこないかもしれないと思い、教授の言葉にすべてを懸けました。ライバルが多いという噂も流れてきましたが、教授を信頼し、周囲の情報に惑わされないように心がけました。人生を左右する場面では、信頼できる人との出会いがとても大切だと実感しています。

助手になった後も、いつくかのハードルがありました。工学分野ではまだ女性研究者の数が少なく、お手本になる先輩や同僚と出会う機会がほとんどなかったのです。助手から助教授、教授へとキャリアップする過程もすべてが手探り状態。迷ったり悩んだりすることも少なくありませんでした。しかし、自分で選んだ道なので後悔したことはありません。苦労は自分に与えられた試練だと思って楽しむことにしています。

何かを選択したり決断しなければならないときの決め手になったのは「自分が一番求めていることは何か」ということです。私にとっての「一番」は研究を続けること。研究者はやりがいのある素晴らしい仕事であり、研究者として生きていくことは私にとって何よりも大切なことなのです。だから、あれもこれも手に入れようとしてどれも中途半端になるよりは、一番だけに集中した方がいい。それが自分なりに描いたキャリアデザインでした。