VOL.1 森本淳子さん(農学研究院 講師)・小川健太さん(女性研究者支援室 特任准教授)(2008年11月)

淳子さんのご意見  健太さんのご意見

夫婦ともに研究者であることについてメリットは?

お互いに良い影響があると思います。私たちの場合、研究分野が一緒ではないですが、私は樹木や森林のこと、夫は衛星画像処理などの技術や岩石、土壌などのことが専門で、お互い研究費の申請書や応募書類などをチェックしたり、してもらったりします。論文なんかをチェックしたりすることは今のところないですが。お互いが忙しいときも、今は学会の準備だから、とか、論文を投稿する直前の仕上げだから、調査の準備があるから、とか状況の想像がつくので、仕方がないな、と思えるのはよいことだと思っています。

研究活動の継続と夫婦同居の両立は難しいですか?

私たちの場合、現在は子どもも含め家族が一緒に暮らしていますが、結婚して以来、仕事の関係で離れて暮らすことが少なくありませんでした。
DINKSの期間は、別居でも何とかなるが、子供がいると別居は厳しいです。私が北大に就職してから2年間は、平日は幼い息子との母子生活でした。実家の母や民間の支援制度など、あらゆる助けを借りましたが、現在の家族同居の生活に勝るものではありません。「精神的なゆとり」がないと研究への意欲や質を維持できません。実際に経験して初めて分りました。
今年の3月末まで、私は東京で仕事をしていましたが、札幌で家族一緒に住むために、思い切って今までの仕事を辞め、北大で仕事をすることにしました。但し、私の今のポジションは今年度一杯の任期なので、次のポジションを探しています。パーマネントの仕事を探すのは簡単ではありません。

今の状況はこれまでと比べてどうですか?

主人の状況を考えると、100%満足なわけではありません。同居を優先して、安定した仕事を辞めて任期制の仕事についた訳ですから。自分の夢につながる仕事に安心して取り組める、彼にもそんなチャンスが来るように応援しています。
生活のことを考えると満足ですね。いままで神奈川県に住んで、東京まで通勤していましたが、通勤に片道1時間半ぐらいかかっていましたので、通勤がとても楽になりました。その分、本を読む時間が減りましたが(笑)。子育てをするにも、札幌はよいところだと思います。

これから研究者カップルとして頑張ろうとしている方に何かメッセージをお願いします

仕事と結婚は、ほぼ2人の合意で両立できるけれど、仕事と育児の両立には、2人以外の多くの人を巻き込んだ周到な作戦が必要かもしれません。大変だけれど、挑戦する前に制約を設けてしまうのは悲しい。試行錯誤する経験も、きっと糧になると思います。
夫婦でお互いがやりがいを感じる仕事を続けることができれば、素晴らしいことだと思いますし、チャレンジする価値があると思います。その過程で何か思い切った決断が必要なこともあるかもしれません。仕事や研究を続ける一方で自分に何ができるか、将来どんな生活をしたいか、を考えておくことも大事なことだと思います。

あなたにとって、ずばりパートナーとは?

私のかつての恩師が、「戦友」といっていました。同感。でも、何と戦っているのでしょうね・・・?
日々子どもとの格闘かな?生傷も絶えないし(笑)