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北大未来の科学者養成講座 第1期生最終発表会


道内の高校に通う9名の受講生が約8ヶ月間北大の各研究室に通い、研究をしてきた成果を一般公開という形で発表しました。

8月4日、札幌駅近くの紀伊国屋書店一階のオープンスペースには、受講生、保護者の方、北大関係者以外にも高校生や高校の先生、一般の方がたくさん集まりました。

ガラス張りの会場では道を行き交う人々が興味深そうにのぞく姿もあり、高校生たちは発表を控えて緊張の面持ちでいたのが印象的でした。

最初は10分間の口頭発表。この発表の中では研究を進めてきた中で困難だったこと、楽しかったことなどを盛り込んでの内容で、テーマによっては天候に左右されてなかなか結果を出すのが難しかったことや、自宅に持ち帰って飼育観察を行った話などを聞かせてもらいました。

発表内容

発表1:性転換する植物マムシグサに関する研究(立命館慶祥高校)

研究は恵庭市の防風林でのフィールド調査が主体で、年によって性転換(同一個体で雄から雌、雌から雄へ変わる現象)するマムシグサを研究対象とした。遺伝学的解析によりマムシグサの繁殖には雄個体から雌個体への花粉の受け渡しが必要なこと、また個体サイズに依存して性転換がおこることを明らかとした。

発表2:大学進学後に実現したいミジンコを使った研究計画の立案(札幌啓成高校)

ミジンコの繁殖生態を学び、さらに電子顕微鏡を使って形態観察を行った。また、最初に耐久卵をもたないミジンコを自宅に持ち帰り飼育したところ、耐久卵を持つ個体が現れたことに興味を持った。どのような飼育条件がもっともミジンコに耐久卵を作らせるのか?を研究計画として立案した。

発表3:魚の眼のでき方(市立函館高校)

研究室に入り、ふぐ、チョウザメ、メダカなどいろいろな魚の初期発生を観察した。また、カワマスの解剖を行い、眼の構造や視神経の交差に興味をもった。そこで、初期発生における眼のでき方を組織学的に詳しく調べた。

発表4:自作天体望遠鏡を用いた天体観測の試み(釧路工業高等専門学校)

星をみることが大好きなところから始まった研究。天体望遠鏡を自分で作る工程の中で、光学系の基礎、天体観測の手法さらには観測結果の解析法を学んだ。望遠鏡を作る際にもっとも重要である反射鏡作成には直径10cmの一枚のガラス板を磨くという地道な作業の中で、研究の大変さを実感した。

発表5:環境によって魚の再生速度がどう変化するのか?(函館中部高校)

魚のうろこは『再生』するということに興味をもち、キンギョのうろこの再生が飼育水温によってどのように変わるのかを生理学的に調べた。温度が高いほど再生速度が早いことを明らかとした。

発表6:大学進学後に実現したいミジンコを使った研究計画の立案(函館中部高校)

最初に、ミジンコについていろいろな角度で調べた。解剖や電子顕微鏡による形態観察、さらに詳しく調べるために組織学的観察をした。また、分子生物学的手法をもちいて、ミジンコの体内で発現している遺伝子を調べた。このような研究を通じて、成体のミジンコと幼体のミジンコの消化管の働きを調べる研究の立案をした。

発表7:自作望遠鏡を用いた天体観測の試み(旭川西高校)

天文が好きではじめた研究。天体望遠鏡を自作し、木星の衛星を観測し質量を算出することを目的とした。直径10cmのガラスから鏡面を作るために長時間かけて削る作業をし、最後に表面を滑らかにするために鏡面の烝着をした。鏡面テストでは遠くのものを映し出し、映ったときには大きな感動を覚えた。天体観測は天候にも左右され、なかなか思うようには進まず研究の大変さが身にしみた。

発表8:生物の再生を映画に記録する(立命館慶祥高校)

生き物の再生に興味を覚え、切っても切っても再生をするプラナリアの研究を行った。断片化したプラナリアをそれぞれ前部、中央部、後部に分け、切断後の運動の特徴と動く早さを調べた。

発表9:開花結実に豊凶のあるバイケイソウの集団構造と繁殖様式(札幌藻岩高校・札幌市藻岩中学校)

種子繁殖と栄養繁殖をするバイケイソウを研究対象種とし、北大の原生林をフィールドとして調査した。ランダムに生育している箇所と円形上に生育している箇所の個体の遺伝型を調べ、バイケイソウの個体群構造について考察した。

続いてポスター発表。ポスター発表では予想を上回る活発な討論が広げられ、質問者が並んでいる姿や、ポスターだけでなくコンピューターを片手に動画を開きながら熱心に研究について説明している姿もみられました。

全てのプログラム終了後、受講者全員に修了証が授与され、受講生が選んだ「発表賞」が1名に授与がされました。